<引用・参照/東京新聞> 世相雑感12)2020.3.30 小林 勝
マスク不足いつまで 輸入減、影響解消見通し立たず
マスク不足
<引用・参照/東京新聞>
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、深刻なマスク不足が続いている。政府はメーカーの増産を支援し、工場がフル稼働する一方で、ドラッグストアなどの店頭にはなかなか並ばない。品薄がいつ解消されるのか見通せない状況が続く。(今村節、出口有紀)
全国マスク工業会によると、国内では月平均四億五千万枚のマスクが供給されている。このうち国内メーカーの生産分は一億四千万枚。多くは中国からの輸入に頼っており、全体の約六割に当たる二億八千万枚を中国製が占めている。
現在の品薄を打破するため国内メーカーは通常の三倍のマスクを生産しているが、受注量は例年の五倍に跳ね上がっている。とりわけ今の季節はインフルエンザや花粉症対策で、一年の中でも需要が高い時期。大手のユニ・チャーム(東京)や興和(名古屋市)の担当者は「増産しても追いつかない」と口をそろえる。
経済産業省は補助金でメーカーの増産を支援し、供給量を三月末までに月六億枚以上に増やす目標だが、品薄の背景には中国からの輸入の激減もある。春節(旧正月)で工場が休止したことに加え、感染拡大による移動制限で物流が停滞した。日本国内でも運送業の人手不足が続いており、流通への影響を指摘する声もある。
このような状況の中で、マスクの品薄はいつごろ回復するのか。災害時の物流に詳しい 東濃地震科学研究所(岐阜県瑞浪市)の
古本尚樹主任研究員は「マスクに限らず、消費者の10%前後がいつもより商品を多めに買うだけで品不足が起きるといわれている。今回も同様のことが起きた」。そのうえで「世界的な需要の拡大もあり、マスク不足は三~四カ月は続くだろう」と予想する。
全国マスク工業会の担当者は「供給量の六割から七割以上は小売店に回っているはずだが、すぐに売り切れる。品不足がいつ解消されるかは、状況次第なので分からない」と話した。