<参照・引用/NHK 2020.3.30> 世相雑感13)2020.4.1 小林 勝
「1年程度延期の」東京オリンピック
7月23日開幕。パラは8月24日開幕で決定。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期になった東京オリンピック・パラリンピックについて、大会組織委員会は30日夜に記者会見し、オリンピックは来年7月23日に開幕する17日間の日程に、パラリンピックは8月24日開幕の13日間の日程に決定したと発表しました。
東京オリンピック・パラリンピックは新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、今月24日に1年程度延期されることが決まり、IOCと大会組織委員会などが詳しい日程を検討していました。
そして、大会組織委員会は30日夜に記者会見し、IOCの臨時の理事会で承認されたとして、オリンピックは来年7月23日に開幕する17日間の日程に、パラリンピックは8月24日開幕の13日間の日程に決定したと発表しました。
ことしの予定から1日ずつ前倒しになった形で、延期による大会への影響を最小限に抑えるねらいがあったものとみられます。
日程について、IOCのバッハ会長は夏だけに限らずさまざまな選択肢があるとの見解を示し、26日には「今後3週間以内に具体的な日程を決めたい」と述べていましたが、それから4日後の「スピード決着」となりました。
延期に伴う最大の懸案となる日程が決まったことで、今後、大会への準備を再び加速させていく必要がありますが、かつてない延期という事態に課題は山積しています。
小池都知事「日程決まり目標が明確になった」
東京都の小池知事は「競技日程、チケット、会場の対応などこれまで準備してきたことと時期的に一致するので、スムーズに進められると考えている。日程が決まることによって目標が明確になった」と述べました。
組織委員会・森会長
<引用・参照/NHK>
組織委 森会長「不退転の気持ちで臨む」
組織委員会の森会長は「決めるまでの間にさまざまな意見があり私も悩んだ。すべての心が1つになって来年の大会までにみんなで問題を解決しようという気持ちになることが大事だと考えた。決めた以上は不退転の気持ちで臨むしかない」と大会の成功への強い決意を示しました。
組織委 武藤事務総長「競技日程 大幅に変えない想定」
オリンピックとパラリンピックの競技スケジュールについて組織委員会の武藤事務総長は会見で、IOCや国際競技団体とまだ議論していないと前置きしたうえで「ことしの日程と来年の日程は曜日の並びが同じだ。大幅に変えることはないと想定している。仮に競技会場が変われば変更の可能性はあるが、そういうことはないようにやっていきたい」と述べ、おおむね今の競技スケジュールのままで臨みたい考えを示しました。
また、武藤事務総長は全国を121日間かけて回る計画のオリンピックの聖火リレーについて「聖火ランナーは尊重する。121日という日数だと来年の3月25日くらいからスタートするのだろうが、まだそこまで合意されていない。ことしの計画をずらせばそのように想定されるが、状況によって議論が出てくる可能性はある」と述べるにとどまりました。
JOC山下会長「新たな道のりが始まる」
JOC=日本オリンピック委員会の山下泰裕会長がコメントを出しました。山下会長はこの中で「アスリートや関係者にとって新しい目標が定まり、きょうからまた新たな道のりが始まる。アスリートの中にはさまざまな思いを持っている方もいることは十分に理解しているが、ぜひその思いを前向きに乗り越えてほしい」と選手たちに呼びかけました。
そして「不安材料を払拭(ふっしょく)し、万全な体制で大会に臨むために競技団体と緊密に連携していく。一回り成長したチームジャパンが最高のパフォーマンスで世界中の人々の心を揺さぶる瞬間を今から楽しみにしている」としています。
IOCバッハ会長「前例のない挑戦 乗り越えると確信」
IOCのバッハ会長は「大会組織委員会や東京都、それに日本政府などとともにこの前例のない挑戦を乗り越えることができると確信している。人類は暗いトンネルの中を進んでいる最中だが、東京オリンピックがこのトンネルを抜けた先の光になるだろう」とコメントしました。
IPCパーソンズ会長「人類団結の特別な大会」
IPC=国際パラリンピック委員会のアンドリュー・パーソンズ会長はコメントを発表し、「新たな日程がこれほど早く決定したのはすばらしいことだ。来年、東京で開催されるパラリンピックは人類が1つになって団結する特別な大会になる」と意欲を示しました。
そのうえで今後の選手選考について「国際競技団体と協力してすでに出場資格を得ている選手を尊重した新たな資格基準を確立していく」とコメントしました。